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平家納経と法華堂

「海は国と国を隔てる物ではなく、国と国をつなぐものである」
港町神戸にぴったりな言葉だと思いますが、この概念を最初に持ったのが神戸に縁が深い平清盛と言われます。

大河ドラマに合わせて、神戸市立博物館では4月18日まで「平清盛展」が開催されています。
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昨日の土曜日は半ドン仕事だったので昼から行ってきました。

今回の展示物の中でも一番の目玉は1164年に広島の厳島神社に清盛が奉納した「平家納経」。昭和29年に国宝に指定されています。

「平家にあらずんば人にあらず」と言ったのは清盛の後妻の時子の弟、つまり清盛の義弟である平時忠と言われますが、ちょうど今日の大河ドラマの放映で初めて時忠が出てきましたね。姉である時子の役は僕の大好きな深キョン、巨乳好きですんません(笑)。

虎の威をかる何とやらで義弟にそこまで言わせるほどの平家の隆盛を祈念するために清盛は息子や弟たちと手分けして書写した法華経を厳島神社に奉納したのが平家納経。
法華経30巻、阿弥陀経1巻、般若心経1巻、平清盛自筆の願文1巻と、経箱・唐櫃からなります。

当時の経典と言えば仏舎利(お釈迦様の遺骨)と同じぐらい大切にされるもので、平家納経は豪華絢爛の限りを尽くした物でした。

僕も昔に平家に関する本を読んだ時からその存在は知っていたのですが、いつか実際に見てみたいと思いながらもう数年。
レプリカは厳島神社の宝物殿で常時公開されているそうですが、本物が展示されるのは年二回の企画展の時のみ。仕事で広島によく行くとは言え、そう都合良くはなかなか行けないもので。

それが一部とは言え、神戸で見られるなんて二度とないチャンスかもしれません。

博物館の中はもちろん撮影禁止なので写真はありませんが、厳島神社のHPなどから無断拝借の写真をちょっと載せてみます。

金箔銀箔を使って丹念に仕上げられた物で900年前の物とは思えません。
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巻物の軸として使われているのは水晶。その水晶にも細工が施されています。  
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もうここまでくると言葉にするのは難しいのですが、博物館のガラスケースの前で口を半開きにしてため息しか出ない状況が2~3分続きましたね。まあスゴイ。素晴らしい。生きてて良かったと思えるぐらい。

この経典を納めている箱も展示されています。これも国宝指定です。
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龍が描かれていますが、これは海の守り神という意味があるそうです。


さて、その平清盛の最期は京都の館で亡くなっていますが、葬られたのは僕の住む舞子の地であると言う説があります。そもそも「舞子」とという地名の由来は諸説ありますが、平清盛が都から連れてきた踊り子(舞子)にこの地で舞を舞わせたからその名になったということが神戸市のHPにも書かれています。

鎌倉幕府のオフィシャル発表である「吾妻鏡」に・・・
遺言に云く、三箇日以後に葬りの儀有るべし.遺骨に於いては播磨の国山田法華堂に納め、七日毎に形の如く仏事を修すべし。毎日これを修すべからず。また京都に於いて追善を成すべからず。子孫偏に東国帰住の計を営むべしてえりとあります。

この「播磨の国 山田法華堂」は山陽電車の西舞子駅の北側にあったようです。

西舞子は伊川谷に実家がある僕が10年ほど前に結婚して最初に新居として借りたアパートがあった所です。長男が産まれて一歳ぐらいの時にあの辺りを散歩していた時に、祠に安置されたお地蔵さんがあって、その祠の横に「大山寺に縁のあるお地蔵さんでうんぬんかんぬん・・・」と書かれてたことを覚えています。

なんでそんな事を覚えているかと言うと、僕が高校時代に軟式テニス部に入っていた時に毎日毎日学校から大山寺まで走らされた覚えがあるから。。。
大山寺と言うと伊川谷の谷の奥にある天台宗の古刹で神戸では珍しい国宝指定されているお寺です。

舞子で大きなお寺というと多聞寺ですが、こちらも天台宗のお寺。

山田法華堂の「法華堂」というのは天台宗の仏堂を指す言葉だそうです。
で、平家納経も法華経であって、天台宗のお経。

これはやっぱり何かあるぞ・・・

無くてもあることにしとこうや、ロマンがあるからさ。
そんなわけで清盛さんの遺骨は舞子の土地のどっかに埋まってます。
by tako_suke | 2012-03-25 22:32 | 郷土史
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